土佐の酒文化
藩政時代の歴代土佐藩主の殆どは愛酒家であった。
それは最後の土佐藩主山内容堂の飲みっぷりや、
坂本龍馬を筆頭とする幕末維新の志士達と酒の関わりに見られる通り、
土佐では淡麗辛口の地酒を豪快に飲み干すのが伝統として受け継がれている。
その飲み方と言えば、豪勢な皿鉢料理を前に献杯、返杯の応酬。
興に乗れば“はし拳”を打ち、敗けては飲み、
勝っては飲み太平洋で獲れた脂ののった魚を肴にグイグイと飲む宴席の形ができあがった。
土佐の宴席には、終わりの合図はない。
土佐の酒宴には
かかせない料理
皿鉢と呼ばれる大皿に、鯛の生きたままの姿に飾る「活けづくり」などの海の幸、山の幸をふんだんに盛り合わせます。その、いかにも豪快な料理には、たくさんお酒を酌み交わすために、極力手間を省きたいという土佐人ならではの工夫が盛り込まれています。
飲み干さない限り
ずっと持ったまま!?
三つの杯と一つの独楽で遊ぶ、伝統の宴会遊び。三つの杯とは、長い鼻があって下に置くと酒がこぼれるように作った「てんぐ」、口の部分に穴があいているため指でふさいでいないと酒がもれてしまう「ひょっとこ」、特に仕掛けのない「おかめ」で、独楽を回して出た絵の杯を飲みます。
土佐の無形文化財的存在の
お座敷遊び
土佐はし拳とは、向き合った双方が三本ずつ箸を隠し持ち、数の合計を当て合うもの。負けると、杯に満たした酒を一気に飲み干さなければなりません。現在は毎年10月1日の「日本酒の日」に土佐はし拳全日本選手権大会が開催されています。
来れ酒豪!
酒飲天国
土佐式の献盃は、目下の者から目上の者に杯を差し出します。これは敬意の挨拶。杯を受けたら飲み干して返し、今度は返された方が飲みます。宴席を離れてこれを誰かれかまわず繰り返すので、県外客は驚きますが、土佐では一人一人が飲んで語って大いに盛り上げることが流儀なのです。